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鉄平の人生 :: 2007/03/19(Mon)

「鉄平の役は非常に強い意志を持ちながら哀しみをたたえた目を持った役者でなければできない。 哀しみと憎しみを両方持ってる男」
だと原作者である山崎豊子さんが仰っていました。
夢に向かってひた走る鉄平は活き活きとして時に眩しいほど輝いていましたが、父親と対峙する時は強い意志をむき出しにしながらもいつも「悲しみをたたえた目」をしていました。木村拓哉はまさにそのような「目」をして万俵鉄平という人間を演じていました。
子供の時の鉄平を知ることはできませんでしたが、きっと鉄平は幼い頃からずっと父親をあんな目で見ていたことでしょう。
テストで100点をとってきても、運動会のかけっこで一等賞をとっても、お父さんは一度たりとも微笑んでくれなかった。いつも認めてもらいたいと心の中で願いながら鉄平は必死に頑張った。もっともっと頑張ればお父さんは振り向いてくれると信じながら頑張って頑張ってきた。必死に頑張ったからそれだけ勉強も運動もできた。頑張る姿は周りの人にとても魅力的に映り、友達もたくさんできた。みんなが慕ってくれた。頑張る過程で「鉄」という心から打ち込めるものを見つけた。夢を抱くことができた。閨閥結婚という名目ではあったが、愛する妻、愛する子供にも恵まれた。なぜか弟ばかりが父親に愛されて不思議に思いつつも、誰よりも弟を認めていた。言葉はなくとも分かり合える関係だった。妹たちも自分を慕ってくれた。
何も申し分がなかった。
ただ、一つを除いては…。

頑張りながらも時々ふっと考えがよぎる。
「どうしてお父さんは自分に微笑んでくれないんだろう?銀平に対するようにどうしてお父さんは自分に接してくれないんだろう?」
考えても考えても分からない。
その不可思議さは心にぽっかり空洞を作ってしまっていたが、それを埋める手段はいまだに見付からない。それを埋めようとすればするほど、何かとんでもないものにぶつかってしまう気がする。鉄平は心に闇を抱えながらもそれに触れずになんとか生きてきた。触れてはいけないと何かが自分を咎めていた。
傍目からは、何にも悩みもなさそうに見える逞しい鉄平。人からそう見えるだけでなく、いつしか自分で上手にごまかせるようになっていた。父親に対する哀しみよりも、憎しみを表現することで自分を保てるようになっていた。その方が自分にとっても楽だった。
「お父さんはどうして自分に微笑んでくれないのか?」
これだけは聞いてはいけなかった。自分で地雷を踏むような真似は絶対にするまい。そう決めていた。なのに…。


「お前は、生まれてしまった…」

聞いてしまった、一番恐れていた一言を。
この一言が、三十数年間危ういながらもなんとか保っていた鉄平自身を一気に壊してしまった。それはそれはあっけなく。脆いものだった。
仕事においてのトラブルならばどんなものでも乗り切ることができた鉄平なのに、これだけは耐えられなかった。絶対触れてはいけないと誓っていた心の闇に自らナイフを刺すような一言だった。
愛する妻も子供も仕事も仲間も築いてきた歴史も、これを覆す力がなかった。それだけのものだった。



*****


何度窮地に立たされても笑顔で持ちこたえてきた鉄平が、最期の最期に自ら死を選ぶなんて信じられず、自分なりに納得しようと、陳腐ですが、鉄平がそこまでに至った心の経緯を想像してだらだらと書き連ねてみました。

「お前は、生まれてしまった…(生まれてこなければ良かった)」

決め手はこの一言。それを聞くのと聞かないとでは鉄平の人生は全然違っていた。この一言を、誰よりも自分をこの世に生み出した親に言われるとは、三十過ぎた大人でも相当衝撃的なことなんだろう。ましてや、これがまだほんの小さな子供だったら……。これはドラマじゃなく現実なのかもしれない、いや現実に起きていることなんだ、と思うと胸が痛みます。

死を選ぶなんて尋常じゃないことに完全に感情移入することは不可能ですが、でも、なんやかんやと理由を考えなくても、「死」を決意したあの木村拓哉の表情はなんとも心に迫るものでした。とてつもなく絶望した顔をしていました。これはもう、ここまできたら何も彼を救えないんだなって極限まできてしまった表情をしていました。あの顔はすごい、すごかった。木村拓哉万歳!ブラボーーー!!(大絶賛!)

うー「華麗なる一族」まだまだ語りたい。納得したい。ウザイよ、お前(分かってる)
  1. 華麗なる一族
  2. | comment:0
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