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対岸の彼女 :: 2005/06/21(Tue)

4163235108対岸の彼女
角田 光代
文藝春秋 2004-11-09

by G-Tools

最近読んだ本。「対岸の彼女」角田光代著。
題名も表紙カバーも覚えがある本ですが、手に取ったのは初めて。
母が何かの番組で作者の角田光代さんを拝見し、
あまりの素敵さに彼女のファンになったらしく、
「アンタ、これ、読みなさい」
と無理やり買わされ、読むことに相成りました。
まさに、この親にしてこの子あり。
ミーハーなのも今山田孝之キャーなのも何もかも、アナタのせいよ(笑)

と言うことで、以下雑感。
30代、既婚、子持ちの「勝ち犬」小夜子と、独身、子なしの「負け犬」葵。性格も生活環境も全く違う二人の女性の友情は成立するのか!?

まず、このキャッチコピーは"嘘"ですね。
宣伝って上手いなあ。
こういうコピーを考え付く人が素晴らしい。(あ、嫌味に聞こえる?)

確かに、30代子なし独身女社長・葵と、子供の公園デビューで頭悩ます主婦・小夜子の話ですが、別に、負け犬対勝ち犬って図式に無理やりはめなくてもいいと思います。
それは読み始めてすぐに思いました。
ただ、まったく何の共通点もなさそうな二人歩み寄るお話なだけです。
歩み寄ってみると、どちらも同じ悩みを抱いていてその過去をたどると同じ悩みを抱いていた同じような女の子だった、というだけのお話。
別に何の接点がなかった人でも、会って年齢を聞いて同級生だって分かると急に同じ歴史を共有しているかのように錯覚してしまって懐かしくなるようなそんな気持ちになるって私はよくあるんですが、彼女たちもやっぱりそんな感じだったのかなあ、と。
小夜子とは年齢と出身校以外、立場もものの見方も、持っているものも持っていないものも何もかも違った。正直、葵にとって、小夜子の言う「過程」も「子ども」も「保育園」も、暗号のように遠く思えた。けれど自分たちは、おんなじ丘をあがっているような気がしてならなかった。まったくべつのルートから、がむしゃらに足を急がせたり、ときどき座って休んだり、歩くこと自体にうんざりしたりしながら、なだらかな傾斜をあがっている。…いつか同じ丘の上で、着いた着いたと手を合わせ笑い合うような、そんな気が漠然とした。(葵)

葵の高校時代が回想シーンとして交互に語られてゆきます。
そこで経験する女子特有の、グループで群れたがること、ひとりぼっちを異常なくらい怖がること、何かの弾みでいつ攻撃対象になるか分からず怯えていること、などが、ああそんな感じだったかも~と懐かしく思い出しました。
そんな中、少々浮いている存在の「魚子」(と書いてナナコ)。
彼女はどこのグループにも属さず一匹狼的な存在。
お弁当の時はこのグループと、休み時間はこのグループと、とちょこまかとグループ間を行き来して過ごしている。
いじめを経験し転校という形で逃げてきた葵にとっては、そんなナナコが不思議でたまらない。
けど、惹かれていくんですよね~ナナコに。
そして、彼女との出会いは後々の葵の生き方に大きな影響を及ぼしていくことになります。

葵は最初、ナナコを何の苦労も汚さも醜さも経験していないただただ脳天気な子、
と思っていたようでしたが、そうではなかった。
この子には何か裏があるんだろうな~、とうっすら予感はしていましたが、
やっぱり、彼女は心に深い深い空洞を抱えている子だった。
いつも屈託なくケラケラ楽しそうなナナコが突然大粒の涙を流した時、
私も葵と一緒におろおろしてしまいました。
結局、その空洞が何だったのかは読み終えた後も分からずじまいで肩透かしのように感じましたが、もしかしたら、これは作者の意図なのかもしれない、なんて今は思っています。
そんな終わり方なので、ナナコはどこでどんなふうに暮らしているかなあ、なんて、本を閉じた後しばし考えてしまいました。
と同時に、自分の学生時代を思い出して、
ああ、あの子は今どうしているかなあ、なんてことも懐かしく思ってしまったりして。

ちなみに、私はだいぶんナナコよりの性格です。昔も今も。
高校時代の葵や小夜子の気持ちが分からない。
私も、群れるのが嫌い。何かに属するのが嫌いで(笑)
「無視とかされても(平気)。だってあたしさ、ぜんぜんこわくないんだ、そんなの。無視も(いじめも)…そんなところにあたしの大切なものはないし」(魚子)

うんうん。そうだよね~!…と、ここで大きく頷いてしまいました。
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