Let It Be




スポンサーサイト :: --/--/--(--)

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. スポンサー広告
砂の器 第2話「目撃者」~その6 :: 2008/03/29(Sat)

そろそろインパクトをコンパクトにまとめる方向でいかなくちゃいけませんな(レリビ?)

ということで。ようやく第2話レビュー、終了です。
■海岸(崖の上)

もうここまできたら、彼女を救えるものは何一つ残されていないでしょう。
傷心でズダボロ状態になったあさみは身を投げるため崖の上へ。
って、このシーンはもう成瀬あさみ役の松雪泰子が素晴らしいの一言に尽きます。
主役を降ろされ、いやな過去にいきなり引きずり戻され、生きる唯一の目的だったはずの母親には死なれ、最後にこの上ない衝撃的な事実を突きつけられ、「私はどこにいるの?」って泣き叫ぶあさみが切なくて切なくて。崖の上でがくーっと肩を落とすその背中が、荒れ狂う海の波に吸い寄せられるようにふらふらと漂っていくその背中が、とてつもなく哀しくて。
で、それを救ったのが、本当は崖から突き落とすはずだった、和賀なんですよね~。
いやあ、なんちゅう皮肉なことだ。
松雪さんに負けず劣らず中居さんもここでいい芝居してた。
覚悟を決めていったんは鬼の目になったものの、いざ歩み寄ろうとした和賀の足を止めたのは周りにいた数々の風車たち。そのカタカタと音を立てるその様が、かつて同じ場所で、「死にたくない」と心から叫んだ自分を、遠き日の秀夫だった自分の声をよみがえらせることになったのね。その記憶に邪魔されてその目からすっかり鬼の色を消し去り、あろうことか、あさみが身を投げる寸前で思わず助けてしまう和賀。鬼の目が見る見る優しい目に変わっていく様が、本当に一目瞭然で面白いぐらいです。
何が起きたかさっぱり意味が分からない様子のあさみ。そりゃそうだ。どうしてそこに和賀が?なんで?…でしょう。
自殺しようとして助かってしまった人の心理は想像もできませんが相当な混乱状態だったと思います。
そんな状態をよくぞ見事に松雪さん演じきってくださいました。いやあ、素晴らしい芝居を見せてくれましたよー。

「砂で作った器を、褒めてもらおうと思って、幾つも幾つも作ったのに…
 見てもらおうと思うと、もうなくなってて。
 今のあたしみたいに、もうなくなってて…。
 こんなんなら、生まれてこなければ良かった…」

「宿命は……宿命は変えられる。もう一度生まれればいい」


もう、あれもこれも書こうとすると“その○”が幾つになっても足りない(笑)ので、とりあえず、あとこれだけ。
あの、風車たちの一斉に泣き叫ぶような音で、封印していた過去をまた一つよみがえらせることになった和賀ですけどね。
この場面、って、これ、千代吉が秀夫と一緒にその崖から心中しようとした場面ですよね。
嫌がる秀夫を引っ張って崖から落とそうとするのを、「父ちゃん、死にたくない!」と秀夫が泣いて拒むので、結局死ぬことができなかった。
って、この場面、すっごい不自然なんですよねー。
いや、不自然って思うのは、最後まで見たからそう思うのであって、この第2話だけを見るとなんの不自然さもないんですけどね。でも最終章で千代吉と秀夫の放浪の旅の顛末を見せられた後にこの場面を見ると、とっても不自然なんです。
だって、あの旅からは、こう言ったら何だけど、幸せな空気しかただよってこなかったから。
そりゃ、罪を犯して逃げ回るだけの未来もない、過酷で非情な旅ではあったろうけど、でも、あの場面からはなぜか、そこはかとなく幸せな空気がただよっていた。
いつでもどこでも親子二人で決して離れることなく身を寄せ合い、助け合い、強く逞しく、そして何よりも“生命力”にみなぎっていた。
だから、こんな場面が、“生”ではなく“死”に向かおうとする場面があの旅の途中であったのが、とても不自然な気がするんです。
最終章で見せてくれた長い長い放浪の旅のある一点に、こんな暗い場面があったことが、とても信じられない。

けど、確かにあったんでしょうね。
あさみが身を投げようとした同じ場所で、あの親子がもしかしたらこの時、たった一回だけだったかもしれない、“死”に向かう場面が確かにあったんでしょう。
すべてに絶望したのか、未来がないと悟ったか、何の理由か分かりませんが。
で、このたった一回の場面が、悲惨な出来事が、この風車の音と共に秀夫の脳裏に焼きついて離れなかったんでしょうね。
よく、いい思い出と悪い思い出、どっちが鮮明に記憶に残ってるかって、残念ながら後者だったりしますからね。誰かとした楽しい思い出はすっかり忘れてしまっても、誰かにされた嫌な経験は忘れようにも忘れてくれない。
秀夫は、和賀は、もしかしたら、一つ一つの記憶が断片的によみがえってきた今、最初に湧き上がってきたのは父親と過ごした幸せな時間ではなく、父親からされたひどい仕打ちの方だったのかもしれない。そしてその一番最低最悪な出来事が、この、父親と無理心中しようとした場面だったのかもしれない。それが和賀の脳裏に何よりも一番先によみがえってしまった。
この時秀夫は心から「生きたい」と願ったんでしょう。決して死ぬまいと。死んでたまるかと。
だからこそ、あさみに、「宿命は変えられる」と、「もう一度生まれればいい」と、自分がそうしてきたように、死ぬのではなく別の人間として生きてきた自分のように、あさみもそうすればいいと、訴えることができたんですよね。
この時点で和賀は、消し去った本浦秀夫に対して何の未練もなかったんでしょう。
このまま、和賀英良として生きていくと、生きていかなくてはと、この頃はまだそう思っていたんでしょうからね。


ということで、ようやく第2話の終了です。
ディスクをようやく交換できます(笑)


あ、そうそう、この第2話、合計50分もあるんですけど。未公開シーンが5分もあるってこと?これ。え?どの部分?
  1. 砂の器
  2. | comment:0
<<砂の器 第3話「もう戻れない悲しみ」~その1 :: top :: 砂の器 第2話「目撃者」~その5>>


comment

comment


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。