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砂の器 第4話「亀嵩の謎」 :: 2008/04/09(Wed)

『砂の器』第4話、レビューです。
そろそろいい加減コンパクトにせねばと一エントリ完結を試みてみましたが、なんだかかえってぐちゃぐちゃに(苦笑)
(※この第4話は場面場面で切れなかったのでこれまで以上にさらに見辛いことになってます。すみません)

***

第3話のラストシーン、海辺の公園でのあのどこまでも弱々しくて哀しい和賀ちゃんの背中は、え?どこへ行っちゃったの?…とビックリするぐらい、和賀とあさみの立場がすっかり逆転していた第4話冒頭のシーンでした。
いやあ、和賀ちゃんの変わり身の早さに脱帽です。あさみを車で送っていく道中、和賀ちゃんに一体どんな心境の変化があったんでしょうか。
あさみに対する話し方が、まるで、いつも綾香に対して話すような人間味のない機械的な話し方になってしまいました。
いや、それとも、和賀としては何も変わってはいないのかな。これからも和賀英良として生きていこうと決意しているのはその通りで何も変わっちゃいないんだけど、でもどうしてもあの海辺の公園に行くと素直になっちゃうとかそういうことなんでしょうか。
あっちこっちに刃を剥き出しにして、あさみに対してだけでなく関川に対しても今まで何を言われても暖簾に濡れ押し状態だったのにいきなり反撃に出たり、玲子にまでとげとげしい言葉を返したりしていたこの第4話ですが、そういえば、海辺の公園に佇む後ろ姿はいつもの弱々しくて哀しい和賀ちゃんそのものの背中をしてたものねー。

まあ、なんにしても、和賀ちゃんたらいきなり本業開始!って感じですが一体どうしたんでしょう?
あさみとお互い背を向けて別々の道を歩くことになって、縁を切って、それですべてをリセットしたつもりになってるみたいだけど、いやいや、それは無理な話だってー。
そんなにいきがってチャイコフスキーなんか弾いちゃっても、1月4日に起きた出来事は決してなかったことにはできないんだよ。
そんなの、自分が一番良く分かってるくせにね…。
そう。分かってるんだよね和賀は。ちゃんと分かってるからこそ、それを頭の中から精一杯振り払って、無理やり前を向こうとしているんだ。
強くあろうとすればするほど弱々しく、いきがるほど痛々しく見えて、なんだかまるで最後の悪あがきのように感じます。
そして、綾香と未来について語る和賀もね。
「結婚したら日本を出よう」だの「僕は世界を目指したいんだ」だの、どれもこれも空を打つような現実味を帯びてない言葉に聞こえてきたし。
隣りにいる綾香を、婚約者を、あなたは本当に見てますか?
そして、あなたが語るその未来は、今、本当に思い描けているんですか?
船の外の真っ暗な闇に語りかけるその“未来”があまりに儚く思えて、和賀にそう問いかけたくなりました。

それに、どんなに過去を振り払おうとしても、過去の記憶は引き続き容赦なく襲ってきているようですしね。
ピアノの上でうとうとしていて、一瞬どこかから吹き荒れる風の音が聴こえて、放浪している二人の親子の姿が見え、ハッと目が覚める和賀ちゃん。
って、このシーンがまあまあ素ん晴らしいショットで、たまりませんでしたがね!(笑)
いや、この時の和賀ちゃんが、また、いい目をしているんだ。
まるで小動物か何かが周りを警戒するように、くりくりっと大きな黒目をゆっくり一度、二度動かすの。
いやあ、中居さんの目って、こうやって改めてみると黒目の部分がすんごい大きいのね。
と脱線しましたが(えへ)、このシーンは、いつでもどこでも警戒態勢でバリアを張り巡らしている和賀の日常がよーく伝わってきます。
こうやっていつも夢から覚める時は、自分が何者なのか、どこにいるのか、過去から今という現実へ戻ってくるのに相当のエネルギーを使ってるんだろうなあって思います。
それと、亀嵩で捜査をしていた今西が「浮浪者の親子か」って呟いた瞬間この放浪シーンが現れたってのも面白いですね。
和賀が以前「亀嵩…」って呟いた瞬間蒸気機関車の汽笛の音が聞こえてきたり、今西が「浮浪者の親子か」って呟いた瞬間この放浪シーンだったり、この『砂の器』は時々フェアリーテールっぽいところがあるのが気に入ってます。

***

さて、和賀についてはそれぐらいにして、対してあさみですが。
和賀に対してちょっと萎縮気味なのがかわいそうでしたね。
立場は違っても何か通じるところがあると、同士のように心強く感じていたのに、いきなり突き放されちゃったりして。
糸の切れた凧のように、どっちに行っていいか分からずに風の中をふらふらと彷徨い、でもこうと決めた以上とにかく頑張らねばならないと強がらずにはいられないあさみちゃんが、なんだか哀れでした。
ね、ただ一言、同じ“同士”から「頑張れ」じゃなく「大丈夫」と言って欲しいだけなのに。
今歩き出している道は決して間違いじゃないと言って欲しいだけなのに。
突き放すんじゃなくて、ただ、背中をポンと小さく叩いて、励まして欲しいだけなのに。
それができる唯一の相手にあんなふうにいきなり突き放されて、あさみちゃん心細くなったに違いありません。
「あなたは和賀英良で、私なんかとは同じわけがないわね」なんて、今まで全然気にしていなかった立場の違いを痛感したり。
畳み掛けるように、和賀が自分のアパートとは比べ物にならないぐらいの高級マンションから出てくるところを見ちゃったり。
「君とのちょっとした時間はなかなか興味深かった」なんて、超腹立つこと言われたり(笑)
って、いやあ、これ、ムカつきません?何様だ?っちゅうねん。
わたしゃ、この一言浴びせられたらいくら和賀ちゃんでも中居さんでも一気に百年の恋も冷めますよ、ええ(笑)

そんなこんなで、和賀という支えを失ってさらに追い討ちをかけるように「後ろ姿がみっともないぞ。肩の力は30過ぎた人間には邪魔なだけだ」なんて麻生に言われまるで自分のすべてを全否定されたかのように感じちゃったあさみですが。
そこで助けを求めた先は、やっぱり何だかんだ言っても、和賀のところ、なんですねー。

「自分で決めたことじゃないのか。
 君の選んだ生き方は、そんな一言で崩れ落ちる程度のものだったのか?うん?」

海辺の公園でそんなふうにまたしても突き放すような言葉をあさみに投げかける和賀。
でもこれ、決して突き放しているだけではないような気がします。
これは、もしかして、自分に対する言葉?
自分も選ぼうと思えば選べたはずだった道を歩み始めているあさみに対するエール?
まるで、和賀英良としての人生を選んでしまった自分が、本当は別の生き方をするはずだった本浦秀夫にエールを送っているかのように聞こえました。
そして、あさみは和賀のことを「強い人」と思っているようだけど、それは本当は逆で、和賀の方があさみを「強い人」と思っているんじゃないでしょうかねえ。
最後、マンションに来たあさみが「どうしたらあなたみたいに本当に強くなれるの?」って言ってましたが、和賀は何も言いませんが表情で否定してましたものね。「強いのは本当は君の方だ」と。
それが分かってるから、だからそっと手を握って、弱い和賀ができる唯一の励ましであさみを包んであげた。
まあ、ラブシーンがお手手繋ぎかよ!(笑)っていう突っ込みを横においておいたら、これは実にいいシーンだと思いますよ、ええ。
和賀の温かい手があさみを慰めているかのように見えて、実は和賀はあさみのその冷たい手に密かに慰めを得ているんですよ。
  1. 砂の器
  2. | comment:0
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